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【メモ】フリーランスの良いところ悪いところ

2008年03月10日  投稿者:ハセガワ
フリーって大変じゃないですか?と言われますが。。どうでしょう。
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ハセガワです。

10代の頃、あんなに欲しかった「自由」が、いざオトナになると大して欲しくなかったりします。
束縛、という言葉に過敏な反応を示した思春期も、
過ぎてしまえばむしろ自分が縛られていることに安心するようになります。

自由でいることは、実はある意味とても苦痛を伴う状態です。
自分の意志で自分を束縛してやらなければ、
私たちはその「自分」が何であるかもわからないからです。

フリーランスという立場を、
特に学生にお勧めしたことはありません。
学生時代に考える「フリーな立場」と、社会人となってからのそれとでは捉え方が全く違うからです。

私は生来、自分を怠惰な人間に見せたいという変な願望があって、
「3年寝太郎」みたいな、ぐうたらしてるのにある日突然ものすごいことをやって注目を浴びる、という人間像に憧れを持っていました。

いわゆる見栄っ張りな性格ということになりますか。
テスト勉強をしている素振りを一切見せずに、影に隠れてこそこそと勉強する感じです。
私は、私がどんなに見栄っ張りでどんなに小心者なのかをよく知っていますから、
逆にとてもアバウトで、小事にこだわらない、心の広い人間に見られたいと思っていました。

そんな学生時代、
私は自分より先に就職した友人たちが、酒を飲みながら上司の悪口を言い合う姿を、
内心では苦々しく思っていました。
愚痴なんか言う前に、自分の義務を果たせよ、と。

若い時の、あの、熱に浮かされたような妙な正義感って何なのでしょう。
他人に対してはあいまいさを決して許さず、
さりとて自分のことは全て棚上げして考える、
そしてそれに自覚がない。

働きもしないで、口先だけでそういう立場を誇ること、
それが私の学生時代の「自由」だった気がしてなりません。

少々内省的に過ぎる気もしますが、
私の場合は、ゼロからデザインのことを勉強する中で、「ルール」の大切さを知りました。
「自由」な中では線一本引くことはできず、
全てのものに意味を持たせる、持たせたい、という考え方は、
デザインという分野から、演繹的に人間の本質を見たような気がしたのです。

「ルールの大切さ」なんて、ちょっと歯が浮いてしまう言葉ですが、
でも、実感として今は骨身にしみています。

社会人としての「フリーランス」という立場は、
ルールを自分で作り、それに準じて生きる、という姿勢につながります。
例えば、朝起きてから夜寝るまでの時間を、
どのように使うかは完全に自分まかせです。

ルールを自分で作る、というのがなるほどとても自由な感じに思えますが、
結局そのルールが自分にしか適用できない非常識なものなら、
社会の中では認められず、生きていけないということになります。

「私は夜仕事するので午前中は電話に出ません」
なんてルール、相手にとっては知ったこっちゃありません。
フリーランスだから、という理由は何一つ言い訳にはなりませんから、
結局のところ「自分だけの独自スタイルで生きる」なんてことは
ほとんど意味をもたないのではないかと思います。

そしてそれを格好いいと思うのは、根本的な勘違いだと。

私がフリーランスを続けているのは、
会社勤めがイヤとか、落ち着く自宅環境で制作したい、とかではなく、
常にフットワークを軽くしておきたいと思っているのと、
自分で出来ることは全て自分の力で何とかしたいと考えているからです。

仕事はやりたいことばかりではありませんし、
たくさんの企業を相手にしてスケジュールを練るだけでも結構時間がかかります。
会社にいれば大体のスケジュールはディレクターなどのまとめ役がいて、
いつまでに何をすればいいのか、教えてくれることが多いですが、
一人ではそうもいきません。

時に、独善的(ひとりよがり)なふるまいに陥ることもあります。
若さにまかせて、失礼な発言をしてしまったことも。
そういう場合、声に出して怒られたりどなられたりすることは滅多にありません。
次から連絡がこなくなるだけの話です。

かと言って、現実的に不可能な要求をされた時は、
それを上手く断ったり、別の案を提示して調整することも往々にして必要です。
怒ったり感情的になっていては何も始まらないし、子供のダダと同じです。
まあ、やっぱり時々感情的にもなってしまいますけどね。

ネガティブな部分を挙げるときりがないわけですが、
それでも一人で全てのことが出来る、というのは楽しいのです。
私は天才的なスキルを持っているわけではありませんし、
名前を売り込もうとも、社会的に大成功して有名人になろうとも、
あまり考えたことはありません。

基本的に、デザインを考え、提案し、それが形になっていくことは
とても楽しいことなのです。仕事であろうがなかろうが。
勉強と仕事の区別、線引きが割と曖昧なのです。

学生のみなさんには、課題であろうとそうでなかろうと、
やっていて「楽しい」と実感すること、が私の授業の第一目的です。
結局、それがなければ何もやっても同じだと思うのです。
パソコンが出来る出来ないなど、ほとんど問題ではありません。

そして「楽しさ」をより感じるために、
スキルアップや、情報収集をしていくことで、
更にデザインの世界の深みへと誘導されることとなり、
起きてても寝ていてもそのことばかりを考えるようになり、
気づくと一人で意味もなく笑い転げていて……ちょっと危ないね。

少なくとも、いずれ独立してフリーランスを目指そうと思う人は、
まずは、何もやっていても、その中から「楽しい」と思えることを探そう。
絶望したり挫折したりすることも時にはありますし、
ネガティブとポシティブ、アップダウンを繰り返して疲れてしまうだってあります。

「楽しい」と感じることもまた、一つの能力、スキルなんです。
それさえあれば、
やがてどうにかなると、ちょっと甘めに考えることにしています。

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